産業用メタバースにおいて、IoTデバイスがデータシステムの最前線となる理由

クラウドコンピューティングという強力で信頼性の高い基盤のもと、Internet of Thingsは数多くの垂直セクターに実質的な価値をもたらしています。エッジデバイスが高速で相互接続され、クラウド経由で世界中のデータセンターのサーバーにデータを収集・配信するシステムは、個人とビジネスのセキュリティ、製造、輸送、ヘルスケア、小売など、私たちの生活に直接関わるあらゆる分野を牽引しています。

現在、私たちが当たり前のように利用している多くのサービスをもたらしているこれらのエッジデバイスやクラウドアプリケーションは、Web 3.0やメタバースと呼ばれるインターネットの次の展開において「最初の応答者」を構成することになります。新しい企業や思想家たちは、この新しいネットワークに製品やサービスを提供するために列をなしていると言えます。このネットワークは現在構築中で、この10年間の最後の数年間にはその主流になると予想されています。

利用数は驚異的です。IoT Analyticsは2022年5月に、接続されたIoTデバイスの世界的な数は144億のアクティブエンドポイントを使用していると報告しました。2025年には、その数は270億以上のIoT接続に増加するであろうと、アナリストは予測しています。

Web 2.0からWeb 3.0への移行およびメタバースは、すでに主要な産業分野で日常的に使用されています。これらの技術を通じて準備し価値を付加する機会は、モレックスとArrow Electronicsが開発した新たなポジションペーパー Unleashing the Power of the Industrial Metaverse: Are You Ready?” で詳しく考察しています。ここでは、産業界が産業用メタバースとWeb 3.0を利用してどのように新しい価値を生み出し、地域社会に顧客を増やしていくかを現実的に評価しています。

このポジションペーパー、未来への好奇心と啓発を与えてくれるものに仕上がったと自負しています。

IoT が迎える時代

人工知能と同様に、IoTはこの新しい世紀において時代を迎えたと言えるでしょう。スマートデバイス、自律走行車、24時間365日のセキュリティを人々や家庭、都市に装備するだけでなく、IoTの産業的側面は、製造、倉庫、出荷に新たな効率とコスト削減をもたらしました。このことは、自動車、ヘルスケア、科学、小売、建設、その他多数の垂直市場において、容易に理解することができます。

センサー、ビデオカム、遠隔地の太陽光発電装置など、すでにあるIoTデバイスも、メタバースでパワフルな新しい体験を可能にするもののひとつとなるでしょう。そのいくつかを以下に紹介します。

  • 潜在的な顧客は、物件や製品、サービスを見るためにバーチャルな場所に移動。
  • マーケティングや営業チームは、重要なツールとして拡張現実や仮想現実のビデオを日常的に使用。
  • グローバルな暗号通貨を使用した新しい分散型金融チャネルでのビジネス。
  • アバターが人々を代表して会議に参加し、リアルタイムで顧客と対話。
  • 没入感のある新しい顧客体験のオプションが多出現。

コネクティビティの質が重要な要素に

モレックスは、革新的な多種多様な接続製品(その多くは世界有数の大手企業向けの特定のユースケース向けにカスタム設計されている)で、Web 2.0からWeb 3.0への移行を支援する準備ができています。この移行では、ネットワークと接続コンポーネントを通じてより多くのデジタルペイロードが移動することになります。

モレックスの最高デジタル責任者マイク・ギレシは、「私たちは、新製品開発から物理的な商品化、最終的なフルフィルメント(顧客との直接の関わり)まで、すべてを変えようとしています」と、このポジションペーパーの中で述べています。「モレックスの最大の資産のひとつがエンジニアリング能力です。私たちは、長期的な展望を思い描き、今日と明日にサービスを提供する顧客に、より戦略的な価値を提供するイノベーションをどのように生み出すことができるかを自問しながら、継続的に投資を行っています」

モレックスはテクノロジー企業であり、単なる物理的な部品メーカーではないとはギレシ述べています。「私たちは、自分たちが設計し提供する製品を通じて人々が受ける経験という点で、非常に大きな価値を提供します」と彼は付け加えた。「私たちは、何十年にもわたる経験と、何百もの顧客との永続的な関係から、この先どうなっていくのかという視点を持っています。私たちは、インダストリアル・メタバースの恩恵に共同で備えるために、戦略的に協力し、お客様をサポートする絶好のポジションにいるのです」

未来は、多くの場合、私たちの目の前で展開されています。「通常の技術アーキテクチャと、それがどのようにプロセスの実行と従業員の能力をサポートするかを考えれば、違った見方ができます」とジレシは言います。「今日、人々がどのように仕事をこなしているかは、5年前、10年前とは全く異なっています。そのため、私たちは非常に創造的な価値貢献の考え方でアプローチしなければなりません。私たちは、正しい能力をどのように構築し、それを可能にする新しいテクノロジーとプロセスを通じて、顧客が価値を達成できるようにどのように位置づけることができるかを追求していきます」

メタバースとインダストリアル・メタバースは、すでに多様な業界でコラボレーションを増やし、製品設計サイクルを加速しています。モレックスとArrowが共同開発したこのレポートは下記にてダウンロードができます。皆様のビジネスが、これらのトレンドをどのように活用できるかというところの一助になれば幸いです。

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